博多なす Q&A  

博多なすのことをもっと知って欲しいから、皆さんのご質問にお答えします!!

なす全般編
Q
6. 「秋なすは嫁に食わすな」という、ことわざには、秋なすが女性の身体に悪いという意味もあるとか? 本当はどうなんですか。

A
「秋なすは嫁に食わすな」という、ことわざについてのご質問ですね。

「秋なすは嫁に食わすな」の由来は?

 一説には、秋なすはおいしいので、嫁が食べ過ぎておなかをこわさないようにするためとか、秋なすには体を冷やす作用があるので、嫁を気づかった言葉などといわれています。では本当にナスは女性の身体に悪いのでしょうか。

なすもきゅうりも身体に悪い?

 まず、中国で明王朝の時代に書かれた「本草綱目」という書物ではナスについて「茄子は性寒利、多食すれば必ず腹痛下痢す、女人はよく子宮を痛める・・・」、「開本草」という書物には「茄子は、性冷にして腸胃を冷やす、秋に至りて毒最甚し・・・」、「傷寒論」にも「多食すれば子宮を損なう」と書かれています。貝原益軒の「養生訓」のなかにも、「茄子は性寒利、多食すれば必ず腹痛下痢す、女人はよく子宮を傷なう」、また江戸時代初期の伊勢貞丈という人も「安斎随筆」のなかで、「子宮を痛めるから、秋茄子は嫁の身体に良くない」と書いています。う〜ん、これではあまりにもナスに不利ですよね。そこで貝原益軒さんが他の野菜について、どう書いているのかを調べてみますと「菜譜」という書物の中で、きゅうりについて「これ瓜類の下品なり、味良からず、かつ小毒あり」という記述がありました。

 ただし現代のお医者さんや栄養士の方が「秋なすは身体に悪い」なんて事はあまりおっしゃいませんよね。ここからは私の推測ですが、多分、貝原益軒の「養生訓」や伊勢貞丈の「安斎随筆」などは、最初にご紹介した中国の書物「本草綱目」「開本草」「傷寒論」の記述をもとにして書かれたのでは?と考えています。

 また、ナスは夏の野菜だから身体を冷やす作用があるという話もありますが、いまや年中食べられているトマトやきゅうりも夏の野菜ですから、ナスだけが特別に身体を冷やす作用があるとも考えにくいと思っています。これは民間療法で、ナスがのぼせや高血圧の予防、体を冷やしたり、消炎作用があるとして用いられてきたことに由来しているようです。また、中国の書物に書かれている「茄子は多食すれば子宮を損なう」というのは、「多食すれば体を冷やして体調を崩す」ということであり、女性の子宮に悪影響を及ぼす物質が茄子にあるわけではないのです。どうしても、ナスが身体を冷やす作用が気になる方は、生姜や青ジソなどの身体を温める作用があるといわれる食材と一緒に調理されるのはいかがでしょうか。

もともとの「秋なすは嫁に食わすな」は?

 このことわざのもともとの出典となるのは、夫木和歌抄に詠われている「秋なすび、早酒(わささ)の粕につきまぜて、よめにはくれじ、棚におくとも」という和歌です。早酒(わささ)とは新酒のことで、「よめ」とは「夜目」つまりネズミのことを指しますから、「酒かすに漬けた秋ナスを熟れるまで棚の上に置いておくのはいいが、ネズミに食べられないように気をつけろ」という意味でしょうか。これが転じて、「秋ナスはそれほど美味しいものだから、憎い嫁には食べさせるな」というように解釈されることが多いようです。同様のことわざとして「秋鯖は嫁に食わせるな」とか、昔の川柳には「秋茄子はしうと(姑)の留守にばかり食ひ」といったものもあります。

秋ナスの効用

ナスにはコリンと言う機能性成分が含まれています。この物質は無色の強アルカリ性物質で、血圧降下、胃液分泌促進などの作用を持っています。また肝臓の働きを良くし、強壮、興奮作用があるともいわれています。夏に衰えた食欲、肝臓機能を高めるのに、適量のコリンの摂取は有効です。だから昔の人は、秋ナスを食べることによって、夏の暑さから来る体調不良を整えていたのかもしれませんね。

女性の皆さん、どうぞ安心して美味しい秋なすを食べてください。

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