博多なす栽培情報

2004/ 4/ 1 なすの花の様子

名木野のしだれ桜

名木野のしだれ桜 白一重のしだれ桜
 瀬高にも桜の名所といわれるところがいくつもあるのですが、上の写真は瀬高町指定天然記念物になっている「名木野のしだれ桜」です。このしだれ桜の樹齢は約300年で高さが15メートル、幹の直径は2メートル程あります。一般にしだれ桜には紅一重、紅八重、白一重の3種類があるのですが、この桜は寒冷地に育つ白一重の桜で温暖な九州では生育しにくいといわれている品種で植物学的にも貴重なものだそうです。
 こんな桜の名木もある瀬高町ですが、桜の季節のあとも清水山の牡丹や菖蒲など花いっぱいの季節が続きます。
 そんな花の中でも私たち博多なす生産農家が一番気になるのはもちろん「なすの花」です。今回はその「なすの花」についてのお話です。

4月1日のハウスの様子
4月1日の博多なすのハウス  ハウスになすの苗を植え付けてから212日がたちました。
 春の訪れとともに、気温も20度を超える日があったりで、博多なすの収穫や管理作業で忙しい日々が続いています。
 
瀬高町もいよいよ春本番!! 博多なすの生産もかなり忙しい時期を迎えます。

博多なすの花
なるさんという方から交流広場の掲示板に質問が寄せられました。

「うちの父が植えたなすにやっと実がなりました。(中略) そしたらやっとCの字に曲がったなすびが3つできました。 まだまだ小さいですが家族みんなで育てています。 そこでまたまた教えてください。 どうしてCの字に曲がるんですか。 どうしたら真っ直ぐななすびができるのでしょうか。 父曰く、昔のなすびはみんな曲がっとたとのことですが・・。」

それに対して、私はこんな返事を書きました。

「茄子も他の多くの植物同様に花が咲いて、花粉がめしべに受粉すると花粉に含まれるオーキシンという成長ホルモンの作用で実に養分が運ばれて大きくなるという仕組みになっています。 つまり茄子がCの字に曲がるということは、オシベで作られる花粉の量が少なかった可能性が考えられます。 今なっている茄子の実がまだ花だった頃、その花はどう言う風な花でしたでしょうか。 茄子の花のオシベの数が6本以下でメシベが短い花ではなかったでしょうか。 そういった花のことを短花柱花といいますが、こういった花はなかなか真っ直ぐな実をつけてくれないことが多いのです。」

今回は、なすの花について見ていただきましょう。


曲がったなす

そういった花からは、こんなふうに曲がったり、細いなすができやすくなります。このくらいのなすだと出荷基準ぎりぎりの品質です。

太くて、黒い博多なす

これが真っ直ぐななすです。今ごろだと花が咲いてから25日くらいたてば収穫できる大きさになります。
 

短花柱花

これが短花柱花です。オシベの数が6本以下で外側に開き気味でメシベが短いのが特徴です。
栄養状態が悪かったり、日射量が少なかったりでナスの樹が弱っているときに発生しやすい花です。

充実したなすの花
これが博多なす生産者が良いという花です。オシベの数が多く、内側にしまり気味でメシベが長く充実しています。

花の断面
なすの花の断面 これは、なすの花を縦に切ったものです。
黄色いオシベから出た花粉が、メシベの先に受粉すると花粉に含まれるオーキシンという植物ホルモンの働きでメシベの下にある子房(白い部分)に葉で作られた養分が送られて太ってきて、なすの実になるわけです

なすの花の咲き方
なすの花の咲き方   なすの花は、一見ばらばらに咲いているように見えますが、良く見るとみんな下を向いて咲いています。
 その大きな理由は、なすが自家受粉つまり一つの花の中にあるオシベとメシベどうしで受精する性質があるというです。
 なすの受粉は、晴天の日でやや風があるという条件で行われます。
 一般的な花はオシベ全体に花粉がついていて、虫などが花粉をメシベに運ぶ役割をしますが、なすの花はオシベの先端からしか花粉が出ないため、なすの花は下を向いているという訳です。