2003年2月10日 バンカープランツ
春一番
鹿児島県地方気象台は、先日の2月8日に九州南部地方で「春一番」を観測したと発表しました。昨年の3月5日より25日も早く、気象庁によると全国でも今年初めての春一番だそうです。瀬高も昨日今日とが17℃くらいまで最高気温が上昇して春を思わせる陽気になりました。博多なすのハウスの近くでは、菜の花も咲き出して、ミツバチが忙しそうに飛び回っていました。
2月10日の博多なす
ハウスに苗を植えつけてから155日が経った博多なすです。先日までの例年にない寒さも一段落して、春先のような陽気に、少し元気を取り戻しているようです。このまま当分いい天気が続けばいいのですが、明日からはまた雨や曇天が続くといった天気予報が出ています。
天敵を利用した害虫防除
狂牛病から始まり、昨年問題になった無登録農薬の使用問題など「食」の安全性に関わる問題点がクローズアップされている中、病害虫を防ぐ方法に今までの化学農薬だけに頼るやり方ではなく、自然界にいる虫や微生物を利用した方法を取り入れようとする動きが始まっています。もちろんこういった方法を使うと化学農薬を一切使わなくてもいいというわけではありませんが、いろんな自然の力を農産物の栽培に生かそうとする動きが国内の農家の中に広がり始めています。
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バンカープランツの導入
博多なすのハウスの中には、ところどころに、このような草が生えています。実はこの雑草のように見えるのは、バンカープランツとして植えられている「麦」なのです。バンカープラントとは、栽培作物に害を及ぼさない種類の虫を天敵の餌としてその寄生植物(麦など)とともにハウス内に持ち込む方法です。今回は、アブラムシを天敵を使って抑えようという試みをご紹介します。
黒い点々のように見えるのが「ムギクビレアブラムシ」です。色は暗緑色で体長は約2mmのやや平たい卵形のアブラムシです。
これが今回導入するバンカープランツの麦です。この麦には、博多なすには害をあたえない「ムギクビレアブラムシ」という天敵の餌となるアブラムシを寄生させています。
これを、あらかじめハウスの中に植えていた「麦」の中に植えつけます。
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アブラムシの天敵の導入
中身を出して見てみると、細かい木くずの中に、「コレマンアブラバチ」の成虫と蛹(マミー)が、入っていました。(写真中の黒い点に見えるのが蛹です。)
植えつけた麦のそばにアブラムシの天敵の「コレマンアブラバチ」が入った容器を置きます。
アブラムシの天敵の「コレマンアブラバチ」が、入っているボトルです。
「ムギクビレアブラムシ」が寄生した麦のそばに「コレマンアブラバチ」を放せば、この蜂が麦についたアブラムシに寄生して増えてくれてその後、ハウスの中の博多なすにつくアブラムシを退治してくれるという訳ですが、天敵は化学農薬とちがって生き物ですから、ただ撒けば効果があるというものではありません。これから多くのテストをして天敵を利用する栽培技術の実用化を進めていく必要があります。